2004年07月02日

ダイヤルアップの罠

 
先日、近所に、この春にオープンしたとある居酒屋さんに初めて立ち寄ってみた。
4,5人でいっぱいになるカウンターと、テーブル席が二つ(と、地べたで酒盛り席がひとつ)の小さなお店で、
お料理もお酒も音楽もおいしかったし、なかなか居心地がよかった。
そして、なにより、2人しかいない店員さんがめちゃくちゃアッパーなノリで、でもそれもまたうっとうしくなくてよかった。

で、ここの店員さんと、たまたまわたしのとなりに座った常連らしき男の人と、Webの話題になった。
店員さんは、映像制作に携わっていたことがあるらしく、デジタル編集なんかもしていた為、コンピューターはいまでもがんがんに使ってます、とのことで、
で、となりの席の人も、個人的にホームページを運営していて、で、いつもこの店にいっしょにくる連れ(その日はおひとりで来ていた)は、Webの制作会社で制作をしてる人、ということで、彼自身は業界の人ではないながら、関心が高いお方らしい。
フレキシブルに運用等々の作業に対応できる人を探している、ということなので、
それなら、わたしフリーでやってますので、もし機会があれば…なんてことになり、いろいろとお話をしていたのですが、
そこでわたしはちょっと驚きの発言を耳にした。
その、店員さんいわく、

「つか、やっぱり、時代はダイヤルアップですよ。」

………。

Webデザインの仕事に携わって数年。
はっきりいって、54kとかの回線の細いユーザー対応については、最近ではある程度切り捨ての方向で仕事をしている。というか、そこは切り捨てで、という指向の依頼がほとんどといっていい。
Flashを使ってビジュアル…、とか、きれいな画像素材を沢山つかって、とか、もしくはムービーコンテンツの話だったりとか、
ダイヤルアップの時代はもうとっくに過ぎ去ったものだと思われていた、ような気がしていた。

でも、その店員さんがいうには、

「早い回線は、会社とかで使ってるから、しかも、会社でイヤってほどコンピューター使ってる時代だから、家では、わざわざインターネットのためにモデムいれたりなんかしないんですよ。
必要に応じて、たまに電話線にカチッとつないで使う程度なんですよ。
オレのまわりのやつらはみんなそうですよ…。」

ということなのである。
なるほど、そういえば、うちの同居人も、がんがんにWeb関連のお仕事をしているにも関わらず、わたしが引越してきてADSLを導入するまで電話回線すら引いていなかった。
だって、家ではコンピューターなんて見たくもないし…と言っていたような気がする。

で、店員さんは、さらに、

「ダイヤルアップで、5秒以内に開かないページはだめですね。日本人の気質からいって、そんなには待てないもんですよ。」

…まじっすか。
いや、そりゃそうですけど。
待つのがいやだからこそ、DSLや光がこんなに普及しているんじゃあ…。

しかしながら、わたし、
彼のおっしゃることに、なんか新鮮な一理を感じたわけなのです。
ある視点から見ると、非常にメイクセンスだと思うのです。
おそらくは、その視点から考慮するに、いつの時代になっても、ダイヤルアップユーザーはまったくゼロにはならないことでしょう…。

めちゃくちゃ軽いのに、すごくナイス、なサイト、ちょっと作ってみたくなってきた。これはぜんぜん有りうると思われる。
Flashよりは、あえてGIFアニメ。
テキストベースのコンテンツだけど、読みやすくて、しかも内容が読むに値する面白さ。
などなど…。
それが、webというカテゴリーの常識枠を超えてひとつの作品として見た時、相当リッチなコンテンツ群にもひけをとらないクオリティに達することは簡単じゃないけど、有りうる。

'_' ko-0 | Probe!!!にも紹介されてた、塊魂オンザウェブは実際かなりすばらしいし…
(別に、ダイアルアップユーザーを意識した、というわけでもないのだろうけど…でも、たぶんこのサイトならダイアルアップユーザーでも十分イケることでしょう。)

あー、なんか。
読むべき時代の流れっていうのもいろいろありますが、
ちょっとわたし、頭にガツンと衝撃を食らいました。

帰りしな、店員さんがおみやげにくれたうまい棒を食べながら、
とぼとぼと帰路に着いたわけです。

0702
 
いつの時代でも、うまい棒はおいしかったのです。
 
posted by moonwalker at 12:31| ロンドン ☔| Comment(1) | TrackBack(1) | おしごとのこと。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうもはじめまして、KuDo-です。
コメントありがとうございます。

いや、本当にガツンと衝撃を感じました。
この事って、本当は気付いてないわけがなかったんですが、
自分が制作をするときって、どうしても切り捨て側の立場で考えていました。
かなり反省をすると共に、そういったことを大切にする必要性を、きちんと制作側のポイントで見ていられる事に、尊敬の念さえ抱きました。
そこまで考えているけど、「今回は、あえて切り捨てましょう」っていうのは全然ありだと思うし。

本当、かなり興味ありな居酒屋さんなので、是非是非お邪魔してみたいです。
Posted by KuDo- at 2004年07月04日 02:34
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時代はダイヤルアップ!?
Excerpt: いやね、実際読んでいて、思わず「そうだなー」と思いましたですよ。 ゆめと、うつつ。:ダイヤルアップの罠 実際に電話線にカチッと繋がないまでも、ノートPCとH"しか持ってない人って、相当な数いると思うん..
Weblog: [dear Life objects] -Aimdesign-
Tracked: 2004-07-02 16:25
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